50歳以上の転職、市場価値の確認は必須
人生100年時代といわれます。昔のように定年退職したら悠々自適とはいきません。人生が長くなったぶん、余分に働き続けなければならくなりました。
サラリーマンも50代になると、いま働いている会社での先行きも検討がつきます。また、定年退職の時期も現実として視野に入ってきます。それゆえ、「このさきどういう形で働いていくのか」といった、定年後のキャリアプランニングが必要になってきます。
いまの会社で働き続けるにしろ、転職するにせよ、独立・起業するにせよ、とにかく”自分の市場価値を知ること”は必須です。それを知ったうえで、セカンドキャリアを固めていくのが現実的というものです。
中国・春秋時代の兵法書『孫子』に有名な一節があります。「彼を知り己を知れば百戦危うからず」。(敵のことをよく知り、自分のこともよく知っていたならば、何度戦っても負けることはない)
転職や再就職を検討している人なら、「己を知ること」は「自分の市場価値を知ること」であり、「敵を知ること」は「求人市場の状況や動向を知ること」に他なりません。
50歳以上の市場価値とは
ヤングやミドルとシニアでは、市場価値を調べる場合に意味合いが少し違います。
ヤングやミドルの場合、市場価値を調べることは「純粋に適正年収」を知ることです。しかし、シニア(特にゼネラリスト)の場合は「果たして市場価値があるのか」という疑問があります。
あなたが以下のようなスペシャリスト(専門職)なら、市場価値は間違いなくあります。
・IT技術者、AI技術者
・建築・土木・測量系の技術者
・工場オペレーションなどの専門知識を持つ技術者
・医療・介護系
・知財、法務などのスペシャリスト
しかし、あなたがゼネラリスト(専門職以外)ならどうでしょうか?
- 就職活動をしても面接まで進めない
- 転職エージェントに登録しても、キャリアアドバイザーとの面談が組まれない
- 転職サイトに登録しても、スカウトメール(直接オファー)がこない
これだと「果たして自分に市場価値があるのか」という疑問に直面します。
市場価値が有るか無いか、いずれにしろ、転職・再就職のスタートラインは”自分の市場価値”を正しく把握することにあるのです。
50歳以上で市場価値が高い人とは
「市場価値が高い」とは「企業が求めている経験やスキルをもっている」ことです。「専門性が高い」と似ていますが、それでは「市場価値が高い」ことにはなりません。専門性が高くても、その経験やスキルを求める企業がなければ、市場価値は低くなります。
市場価値は需要と供給です。「需要=企業が求める経験やスキル」「供給=企業が求める経験やスキルをもった求職者の数」このバランスで決まります。
また、市場価値には年齢や居住地も影響します。同じ経験とスキルをもっていても、30歳と50歳では価値が異なりますし、居住地が大都市圏と地方でも変わります。
市場価格は「中古車の相場」で考えるとわかりやすい。トヨタ製の中古車で、ほぼ同じスペックの車が3台あるとしましょう。
3台とも新車価格は300万円。スペックは排気量2000ccガソリンエンジン、新車から3年落ち、走行距離5万kmで全部同じと思ってください。
中古車価格はおおよそ以下のようになります。
マークX(セダン) 100万円
ノア(ミニバン) 150万円
ハリアー(SUV) 200万円
新車価格とスペックが同じですから、車としての基本性能は同じなのに価格はこれだけ違います。つまり市場価格とは「その商品の人気度」であり、商品の需要と供給で決まります。価格が違っても、車の性能は変わりません。
このように、市場価値が低かったとしても何ら落胆する必要はありません。
「市場価値の高さ」と「ビジネスマンとしての能力・スキル」は何ら関係ないからです。
50歳以上の転職、市場価値の使いかた
自分の市場価値は「知っておかねばならない」ではありませんが、知っていれば就職活動がスムーズに進みます。
あなたの市場価値が年収500万円だったと仮定しましょう。いまの会社で年収が800万円だったら「会社に感謝しなければならない」「愚痴を言わず定年まで働き続けよう」となるでしょう。
あるいは、市場価値が800万円でいまの年収が500万円だったら「試しに転職活動でもしてみるか」とか「起業するための準備をしよう」といった気持ちになるかもしれません。
このように、自分の市場価値を知っておけば、50代以降の就職活動において適切な判断と正しい方向性を得ることができます。
- 市場価値がいまの年収より低い場合
- いま働いている会社への不平不満が軽減される
- いま働いている会社に対し感謝の気持ちになる
- 前向きに定年まで働き続ける理由になる
- 市場価値がいまの年収より高い場合
- 転職という選択肢ができる
- 定年前後の独立・起業などが視野に入る
50歳以上の転職、市場価値の調べ方
市場価値の調べ方は、以下の4つです。
- 実際に転職活動をしてみる
(もっとも有効かつ確実) - 転職エージェントのキャリアアドバイザーに聞く
(手軽で正確性が高い) - 転職サイトのスカウトメールを使う
(大まかな目安になる) - 転職サイトの診断ツールを使う
(何も目安がないよりまし)
1.実際に転職活動をする
市場価値を知るもっとも有効かつ確実な方法は、実際に就職活動をしてみることです。あなたを高く評価する会社もあれば、低い評価の会社もあるでしょう。
どこの企業で何を評価され、どれくらいの条件提示をもらえるのか、実際に就職活動をすればリアルな情報が得られます。とりあえず2~3社就職活動をして「採用されたら給料はいくらか」を確認するのです。
この方法のデメリットは、実際に「転職の意思がある人」しか使えないことです。まったく転職する気持ちがないのに、転職活動をすることは相手先企業にとって、迷惑以外の何物でもないからです。
2.転職エージェントのキャリアアドバイザーに聞く
転職エージェントとは、転職を検討している人と採用を考えている企業の間にたって、転職成功を支援するサービスです。
転職エージェントは、転職が成功すれば企業から報酬を得ます。そのため、登録すれば転職ノウハウに長けているキャリアアドバイザーが、熱心に転職活動をサポートしてくれます。
キャリアアドバイザーは、たくさんの求職者と面談し転職を支援しています。単純に所属企業や職種のみで市場価値を測らずに、経験にもとづいた情報を提供します。
こうした意味で、転職サイトのスカウトやアンケートよりも、正確性の高い情報を提供できます。面談は無料の場合が多いですし、手軽さと正確性をかね備えていると言えます。
目的は「市場価値を知ること」です。試しに大手の転職エージェントに登録して、キャリアアドバイザーと面談してみることです。大手の転職エージェントを3つ挙げておきます。
俺の若い頃は、転職エージェントなんてなかった。もしこんな便利なものがあったら、間違いなく利用していたね!
3.転職サイトのスカウトメールを使う
転職サイトとは、さまざまな業界や職種の求人が掲載されている転職に関するWebサイトのことです。多くの求人情報を自由に検索・閲覧ができ、気にいった求人を、自分で選んで応募するサービスです。
転職サイトには、企業からスカウトを受けられるサービスがあります。このサービスに登録すると、企業から「わが社に応募しませんか」というメールが届くことがあり、これを「スカウトメール」と呼びます。スカウトメールを送ってきた企業の情報や年収で、ある程度の市場価値がわかります。
スカウトメールの内容は、「わが社に応募しませんか」などの直接オファーから、「希望の求人があります」といった案内までさまざまです。スカウトメールには3種類あり、それぞれ内容や役割が違ってくるので、どのメールが届いたのか、切り分けて判断してください。
●スカウトメールの種類
- システムで自動配信されるもの
- スカウトメールに登録すると、転職サイトのシステムから自動で送られるメール
- 誰にも当てはまる定型文。メルマガや広告メールに近い
- 企業の人事担当者からのスカウト
- 企業の担当者からの直接オファー
- 冒頭やメール件名に、個別の企業名が入っているのが特徴
- 転職エージェントが送るもの
- 特定の企業の紹介ではなく「キャリア相談実施中」など転職支援をアピールするもの
目的は「市場価値を知ること」ですから、 大手の転職サイトのスカウトサービスに登録してみることです。スカウトサービスを持っている大手の転職サイトを3つ挙げておきます。
4.転職サイトの診断ツールを使う
転職サイトによっては「市場価値の診断ツール」をもっているサイトがあります。20~30個の質問に答えると「あなたの適性年収は〇〇万円」などと教えてくれます。
「無料の市場価値診断ツール」をもった転職サイトを3つ挙げておきます。
ただし、この結果をうのみにしてはいけません。サイトにより基準がバラバラで、質問内容が適切かもわかりません。年収の査定額に正確さが期待できません。
あくまで「参考程度」、もしくは「目安が何もないよりまし」くらいに考えるならいいでしょう。ただし、手軽に調べられる点がメリットです。
50歳以上でも、ミイダスでシミュレーション
さきほど、転職サイトの診断ツールは「正確性がとぼしい」「目安がないよりまし」といいました。ところが「何とかとハサミは使いよう」で以外なことに使えます。
3つの診断ツールどれでもよいのですが「面倒な会員登録がいらない」かつ「転職サイトから不要なメールも来ない」というのはミイダスだけです。ミイダスの質問は25個くらいで、1回の査定時間も約5分、ミイダスが一番いいでしょう。
では、ミイダスを使って何をするのか?
ミイダスを「さまざまな条件の年収シミュレーションツール」として利用します。
ミイダスの中であれば、あなたは何にでもなれます。
営業マンや経理マン、技術者になれます。
建築技術者や看護師、塾講師にもなれます。
大企業の社員にも、小企業の社員にもなれます。
未経験だけどやってみたい仕事がある。
スキルと経験をもつ仕事が2つある。AとBどちらがいいか。
45歳で年収600万円なら60歳だといくら?
この仕事にはどんなスキルが求められているか。
同じ職種で首都圏と地方はどれくらい違うか。
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